東京、8月最後の週末は、人気祭り揃い踏み

もう8月も終わりという、第4週の週末、東京では人気祭りが揃い踏みする。

  • 浅草 サンバカーニバル(50万人)※発表されている直近の動員数
  • 原宿・表参道 元氣祭りスーパーよさこい(84万人)
  • 東京高円寺 阿波おどり(100万人)
  • 麻布十番 納涼まつり(50万人)※屋台メインの商店街祭り

どれも大人気で、混雑は必至。今回は、東京高円寺阿波おどりへ。

「東京高円寺阿波おどり」とは

「東京高円寺阿波おどり」とは
「東京高円寺阿波おどり」とは

高円寺は、新宿から中央線に乗り、9分で着く。その高円寺で、8月の最終週の土日に毎年開催されるのが、「東京高円寺阿波おどり」だ。今年で、62回目を迎える。もともと商店街の青年部の企画だったという。今では100万人が訪れるという、東京でも大きな祭りだ。(徳島の阿波おどりは123万人)

会場は、商店街などの一般道。駅周辺に8つの演舞場を作り、そこを阿波踊りの連(グループ)が順番に登場していく。今年は、118の連が参加。

なお、祭りの期間に「座・高円寺」「セシオン杉並」の2つのホールで、有料でのステージ観覧もできる。

「阿波おどり」とは

徳島県(阿波国)の盆踊り。日本三大盆踊りに数えられている。

  • 阿波おどり(徳島県)
  • 西馬音内の盆踊り(秋田県)
  • 郡上おどり(岐阜県)

阿波踊りは、東京下北沢、埼玉南越谷など多くの場所で開催されている。Wikipediaによると、同じ四国の高知よさこいと同じように、阿波踊りも全国、世界展開を企図しているらしい。そういえば、パンフレットに阿波踊りの台湾公演の記事があった。

阿波踊りは、三味線、太鼓、鉦(かね)、篠笛による2拍子の伴奏に合わせて、踊る。男踊り、女踊り、鳴り物(お囃子)からなる連(れん)と呼ばれるグループで披露。先頭には、連の名前が書かれた高張提灯が掲げられる。

8つの連の演舞を観てみよう

人でごった返すなか、なんとか隙間を見つけた。人垣ごしでようやく観られる。私は一般の観覧者なので、歩道から見る。向かい側の用意された席に座っているのは、祭りの協賛者だろう。

動画では、特に選りすぐって、連を選んだというわけではない。私のいた桃園演舞場では、だいたいこのような流れで進行した。

  • ゑびす連  (徳島連)
  • 遊夏連   (一般参加連 杉並区)
  • 点睛連   (一般参加連 渋谷区)
  • 山形んだず連(一般参加連 山形県)
  • 舞蝶連   (高円寺阿波おどり連協会 所属連)
  • 美踊連   (高円寺阿波おどり連協会 所属連)
  • 花菱連   (高円寺阿波おどり連協会 所属連)
  • 天狗連   (高円寺阿波おどり連協会 所属連)

夕方5時、祭りは始まった。

ゑびす連(えびすれん/徳島連)

ゑびす連(えびすれん/徳島連)

徳島から参加する連は5つ。参加している連は全部で118だから、わずか4%だ。しかも期間2日のうち、初日にしか登場しない。8つの演舞場にそれぞれ散らばっているので、狙わないと、本場の徳島連は見られないかもしれない。

大人数にも関わらず、ぴたりと踊りが揃っている。指先の角度まで揃っているというのは、言い過ぎだろうか。「神は細部に宿る」のだ。

この8つの演舞を一通り見た後、ゑびす連を見ると、いかに水準が高いかわかるだろう。特に男踊りは、下手をすれば、奇妙に踊る「ヘンなおじさん」だ。そんな危うさが、阿波踊りにはある。

遊夏連(ゆうかれん/一般参加連 杉並区)

遊夏連(ゆうかれん/一般参加連 杉並区)

うちわを持った法被(はっぴ)女たちの「つかみ」に工夫がある。

阿波踊りには、編笠をかぶった女踊りと手ぬぐいを被った男踊りがある。「男踊り」ではあるが、子供や女性も踊るのだという。

点睛連(てんせいれん/一般参加連 渋谷区)

点睛連(てんせいれん/一般参加連 渋谷区)

高張提灯を掲げた威勢のいい男。グイグイと女踊りを牽引していく。

稲穂のようにすらりと伸びた女たち。阿波踊りの女性たちは、長身の人が多いように感ずるのだが、どうだろうか。身長の高さと手足の長さが、阿波の女踊りには良く映える。

女が縦の線で、男が横に円を描くのもおもしろい。

山形んだず連(一般参加連 山形県)

山形んだず連(一般参加連 山形県)

とっとっと、男たちが飛び込んでくる。うちわを持った女が脇に広がり、編笠の女が中央に躍り出るフォーメーション。こういった組踊りのような演出もいい

ふとみれば、人数が少ないのである。それだけに、空間を活かしたアイデアなのかもしれない。

高張提灯1、男7、法被女4、浴衣女9、鳴り物9、計30人。

舞蝶連(まいちょうれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

舞蝶連(まいちょうれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

女の子が叫んでいる。お友達が踊っているのだろう。地元の連だけに、一層盛り上がる。女の子たちの笑顔が愛らしい。ひときわ目を引く手前の女の子は、パンフレットの表紙になっていた。

この連はアグレッシブだ。攻めている。団子のように膨らんだ提灯。伸びやかな女の子たちの踊りに、ひらひらと舞う法被の女性たち。熱気に煽られた傘にしがみつくひょうきん者まで。見所盛り沢山。

鉦(かね)のお兄さんのドヤ顔が勇ましい。人生、調子に乗ったもの勝ちである。勝者は常に調子という馬に乗ってくる。いや、蝶のように舞うのか。

東京高円寺阿波おどり パンフレット
左下の女の子

美踊連(みどりれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

美踊連(みどりれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

一転して、トラディショナルな正統派。しっとりと落ち着いた雰囲気である。

女踊りの浴衣のたもとに「みどり」と染めてあるのだが、これが光に透けると提灯のように見える。どの連も、意匠を凝らした美しい和装が、目に鮮やかである。

花菱連(はなびしれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

花菱連(はなびしれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

提灯を振り回す女の子の声がいい。高すぎず、低くもない、妙に心に届く声である。

締め太鼓の姐さんも粋だ。ふと見上げた虚空に何を見たのだろう。

天狗連(てんぐれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

天狗連(てんぐれん/高円寺阿波おどり連協会 所属連)

大所帯の連で、総勢130名。皆楽しそうだ。観客も指笛で応えている。語勢は大事である。

踊りは確かに芸能である。芸であるから、巧拙が肝心ではあるが、それだけではない。定型に倣(なら)うのが大事なら、今やロボットを並べて踊らせればよい。しかし、それは踊りではない。心が躍ってこそ、踊りなのである。

この日、東京の最高気温は35.6度。とても暑い日だった。

P.S.

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