黒船来航、たった4隻で夜も眠れず

1853年、突如、4隻の巨大な船が神奈川県の浦賀沖に出現した。アメリカ合衆国の提督ペリーは、国書を携え入港。鎖国を行っていた幕府に対し、開国を迫る。

すぐさまその報は伝わり、江戸は震撼した。

泰平の眠りを覚ます上喜撰(じょうきせん)たった四杯で夜も眠れず

よく知られた狂歌だ。上喜撰(じょうきせん)というのは、高級緑茶の銘がら。蒸気船にかけている。当時は船を「杯」で数えた。表の意味は、(カフェイン入りの)お茶を4杯飲んだだけで眠れないよ。

徳川幕府は、すぐに「台場」の建設を指示した。台場とは西洋式の砲台である。外国船を打ち払うために日本各所に造られていた。

急ピッチで台場の建設は進み、8ヶ月で品川台場はいくつか完成した。ペリー2回目の来航までに間に合った。ペリーは、この台場があることにより、江戸に近づくことをやめ、横浜へ引き返した。

この時、完成していた台場のひとつが、「第三台場」だ。現在では、史跡公園として一般に開放されている。

お台場とは、この台場のことだ。「お」がつくのは、徳川幕府に敬意を表して。

もう一度、わかりやすく言おう。お台場とは、ペリーの2度目の襲来に備えて作った砲台のことである。

ペリーの黒船来航は、いわば「恫喝(どうかつ)」である。巨大な最新兵器である蒸気船で、日本を開国させ、利を得ようとした。当時すでに、隣国 清はアヘン戦争に敗れ、列強の奴隷のような有り様だった。この「ペリー」への反発は、日本中に吹き荒れる「尊王攘夷」運動へと発展する。「攘夷(じょうい)」とは、夷狄(いてき/外国人)を撃ち払えという意味。

日本史では、ペリー来航から、幕末である。

お台場は、日本の歴史の大転換「開国」に所縁のある場所なのだ。

第三台場

第三台場

緑が繁茂している。降りて行くのもちょっと大変だ。ちょうど真ん中に、陣屋の跡がある。

陣屋跡

陣屋跡

この第三台場の防衛を担ったのは、忍藩(おしはん)。最近、少し知られているかもしれない。今の埼玉県にあった石高十万石の藩だ。映画『のぼうの城』の成田氏がおさめた藩である。

砲台跡

砲台跡

砲台跡も残っている。大砲は、佐賀の鍋島藩製。こういった兵器の製造では、国内随一の藩であった。

レインボーブリッジから第三台場を望む

レインボーブリッジから第三台場を望む

ご存じだろうか? レインボーブリッジは歩ける。徒歩で登っていけるのだ。ちょうどいいポジションで、第三台場を見下ろすことができる。

橋脚の間に東京タワーが見える。東京タワーは浜松町にある。JR山手線で言えば、そこから右に向かって、新橋、有楽町となる。駅間は短い。有楽町には、皇居がある。当時は、江戸城であった。

江戸は100万人が暮らす超過密都市。住居は木造建築。火事に弱い。火がつけば、江戸は一巻の終わり。

おそらく、江戸城へ向かって直進しようとする黒船を側面から砲撃するように、台場は配されているのだろう。砲撃を受ければ船は沈む。まさか、台場は沈むまい。

わずか8ヶ月でこのような台場をいくつか造ったのは、それだけ必死だったに違いない。

函館の五稜郭

台場は、函館にある五稜郭を思わせる。もちろん規模は五稜郭の方が大きい。外国船の大砲が届かない距離を想定し、内陸部にある。この城郭の中央には、箱館奉行所があった。(現在ある奉行所は復元されたもの)

東京の人気スポット お台場

東京の人気スポット、お台場

品川台場(合計8つ)のいくつかは、埋め立てられた。日本の首都、東京。その副都心として、お台場は発展している。

さまざまな見所がある。

  • ダイバーシティ前のガンダム
  • 自由の女神
  • フジテレビ社屋
  • お台場海浜公園(お台場ビーチ/デッキがある)
  • 台場公園(第三台場)
  • レインボーブリッジ(東京タワーも見える)
  • 東京都観光汽船(TOKYO CRUISE/水上バス)(漫画家 松本零士がデザインした船もある)
  • ゆりかもめ(自動運転)
  • 観覧車(東京レジャーランド)
  • ヴィーナスフォートなどの商業施設

お台場といえば、こちらも

今回の動画には映っていないが、こちらも人気。

  • 日本科学未来館
  • 船の科学館(南極観測船 宗谷)
  • 大江戸温泉物語

テレビドラマ『踊る大捜査線』の舞台になった東京湾岸警察署もある。本物の警察署なので、外からそっと見るだけ。

なぜ、自由の女神がお台場に?

正式な自由の女神は、パリ、ニューヨーク、そしてお台場にある。1998〜99年に「日本におけるフランス年」を記念して、パリの自由の女神がお台場に展示された。それが好評を博し、自由の女神がパリへ戻ったあと、正式に認められ、パリの像のレプリカ(複製)が製作された。なお、ニューヨークの自由の女神は、フランスからアメリカ独立100周年を記念し贈られたものである。

お台場は、一大エンターテイメント都市である。レインボーブリッジの夜景や観覧車のネオンもきれいだ。砂浜やショッピングも楽しめる。

東京都心近くで、これだけゆったりした雰囲気の街は他にはないだろう。

未来都市 お台場

未来を感じさせるお台場

お台場には、未来の風景が広がっている。

臨海副都心エリアを走る、ゆりかもめ。ゆりかもめの車両には、運転手は乗っていない。ホームに駅員もいない。自動運転なのだ。平らな面をゴムタイヤ4輪で走るため、スーッとスムーズに走る乗り心地。ビル群の風景もあいまって、少しひんやりとした未来を感じさせる。

注)ゆりかもめは、一見モノレールのように見えるが、そうではないそうだ。

銀の球形がシンボルのフジテレビ社屋も、不思議な造形である。銀の球は腐食しないチタンで覆われているそう。建築は、丹下健三。丹下健三は、新宿にある東京都庁舎やモード学園(細長いまゆのようなビル)、代々木体育館などで知られる。

浅草、浜松町(日の出桟橋、浜離宮)、お台場などを結ぶ水上バス(東京都観光汽船/TOKYO CRUISE)のいつくかのデザインは『銀河鉄道999』の松本零士だ。「ヒミコ」を初めて見たときは、かっこよさにシビれた。

エメラルダス

「エメラルダス」は、この8月にお目見えとなった新しい船だ。今のところ、松本零士のデザインは3タイプあるようだが、ボディの基本的なデザインは同じようだ。

ダイバーシティ前には、実物大のガンダムが立っている。以前は、「赤・青・黄・白」の懐かしい昔ながらのガンダムだった。現在は、白一色のユニコーンガンダムなのだそうだ。

時代は変わった。今や「お台場」では、ガンダムが東京を守っている。

未来を感じさせるお台場

P.S.

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