「いきのない下町」

『やわらかい生活』(廣木隆一監督/2006年)は、蒲田を舞台にした映画だ。35の独身女を演じる寺島しのぶは、劇中、蒲田をこのようにたとえている。「粋(いき)のない下町」

九鬼周造『「いき」の構造』によれば、「いき」とは「垢抜して、張のある色っぽさ」である。蒲田が「いきのない下町」なら、「垢抜けてなくて、張りも色気もない下町」ということになる。むむむ。

現代でよく使われる「ゆるい」という言葉。まあ、こんな感じなんだろうか。蒲田。ふふふ。

サンライズショッピングモール

サンライズショッピングモール

どこか懐かしさのある商店街である。人もたくさん歩いている。飲食、日用品、家具などのお店から、映画館まである。ちなみに、昔、蒲田には映画撮影所があった。JR蒲田駅の発車メロディーは「蒲田行進曲」である。

駅に隣接しているデパートは、グランデュオ、東急プラザ。駅(西口)のはす向かいにドン・キホーテもある。

モヤイ像

モヤイ像

モヤイ像があるのは、JR蒲田駅東口。喫煙所の煙草の煙が目に沁みるのか、なんとも言えない顔をしている。モヤイ像は、新島の人たちが贈ってくれた。

注)モヤイ像は、イースター島のモアイ像をもとに、新島(東京都に属する島)の作家が考案した。モヤイには「もあう」(助け合う)という言葉が掛け合わせてある。新島は日本各地にモヤイ像を贈っている。東京では、渋谷のモヤイ像が有名。

タイヤ公園(西六郷公園)

タイヤ公園(西六郷公園)

この辺りで有名な公園だ。蒲田駅からだと15分くらい歩く。廃タイヤ3,000本を利用しているという。「タイヤで公園をつくろう」という自治体の発想がおもしろい。

以前、あるアパレルブランドのビジネスバッグを使っていた。タイヤの廃材を利用した真っ黒な素材で、ぱっと見、革鞄。他にはない素材感、エコのメッセージ性、ちょっとした商品のストーリーに、そのブランドの巧みさを感じた。

このタイヤ公園には、それがない。なんのてらいもない。でも、それがいい。今日も、子供たちが元気に遊んでいる。

東急プラザ屋上 かまたえん 観覧車

蒲田 観覧車

環八から蒲田駅を見ると、気になるものがある。東急プラザの上だ。観覧車がゆっくりと動いている。デパートの屋上に観覧車がある。

ちっちゃい。ちょっと笑けるほど、ちっちゃい。これを見たら、乗らずにはいられない。乗れば、街が一望できる。そうか、ビルの屋上にあるから、でっかい観覧車の眺望に負けてないのか。頭いいのね。雲間から夕日がさした。

ユザワヤと、羽根つき餃子と、羽田空港と……

なるほど、蒲田は「ゆるい」かもしれない。蒲田で、かっこつけるほど、かっこわるいことはない。なんとも、居心地のいい街なのである。

蒲田の有名店 ユザワヤ

ユザワヤ

新宿に世界堂がある。世界堂とは画材屋だ。ビル一棟丸々画材屋だ。蒲田にはユザワヤがある。地域一帯のクリエイティビティを一手に引き受けている。ユザワヤは、手芸用品・生地・ホビー材料専門店である。動画に写っている手前のユザワヤは「ユザワヤ(5)」。奥には(6)と(7)が続いている。全国展開するユザワヤ(数十店舗)の中でも、蒲田店のビル3つは立派だろう。

蒲田グルメ

飲食店も魅力的なお店が多い。お店はどれも庶民的。動画左に映っているのは、フィッシュ&チップスのお店アッパーハウス。この辺りは飲屋街。蒲田は、餃子のお店も多い。你好(ニイハオ)は、羽根つき餃子の人気店。

蒲田は羽田空港に近い

蒲田は、羽田空港へのJR最寄駅になる。駅からバスも出ている。2020年 東京オリンピック開催に向けて、全国から、世界から、観光客を受け入れる要所ともなりえる。

そんな中、渋谷は街を上げて再開発中。どこでも工事をしている。蒲田はというと、どこでも子供たちが遊んでいる。

そうそう、蒲田には温泉もある。コーラのように真っ黒なお湯だ。

P.S.

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