浅草は、てらてらとした旺盛な街!?
ふと、浅草に行きたくなる。そんな時、私は、浜松町の日の出桟橋から船に乗ることにしている。隅田川を上るのだ。
映像の最初に登場するのは、そんな水上バス(東京都観光汽船/TOKYO CRUISE)。『銀河鉄道999』の漫画家 松本零士がデザインしたエメラルダスだ。ノスタルジックな東京下町の風景に、未来的なフォルムの物体が——さも当たり前のように——過ぎ去ってゆく。
「橋をくぐった右手、斬新なオブジェをのせる建物は、アサヒビアホールです」
ここまでにたくさんの橋をくぐり抜けてきた。最後の吾妻橋(あづまばし)で、船のアナウンスがそう告げる。
あの丸々とした黄色い泡がのったビルだ。ちょっとキッチュなビルといった印象だろうか。でもあれは、世界的に有名なデザイナー フィリップ・スタルク(仏/1949〜)のデザインなのだ。
浅草には、エネルギーがある。ノスタルジックも、未来も、奇抜なデザインも、ぎゅうぎゅうに詰め込んでも、それでも「うまかったよ、ご馳走さん」とケロっとしている。どことなく、てらてらとした旺盛な街だ。
浅草紅団
ノーベル文学賞作家 川端康成の小説に『浅草紅団』がある。舞台は1930年代、浅草にたむろする不良グループの話だ。今で言えば『池袋ウエストゲートパーク』のような感じだろうか。
浅草はちょっと時代がかっている。そんなイメージかもしれない。でもかつては、現在の池袋や渋谷のような、若者が集まる街であった。いや、そんな「今は昔」の話はやめなければならない。
どうしたことであろう。若々しく華やいでいる。浅草がだ。
Kawaii! 浴衣、浴衣、浴衣。
映像にも次々に映り込んでくる。若い女性たちが、浴衣姿で、浅草を歩いている。おかげで、街が軽やかに華やぐ。若い男性も、さりげなく着こなしている。そう言えば、ここ最近の傾向だろうか、京都などでも着物レンタルが盛況だという。
「浴衣で、浅草行こう」
そう、友達やカップルでしめしあわせて、お参りに来たのだろう。いいじゃないか。
なかなか素敵だったよ。
浅草のあれこれ
五重塔と浅草グルメ
近所に住んでいるわけではないが、子供の頃から、浅草にはときどき来ていた。浅草寺の五重の塔に用があったのだ。
五重の塔に何があるのか、知っているだろうか?
身もフタもない話をすれば、五重の塔は、鉄筋コンクリートだ。中は、永代供養の霊牌殿となっている。位牌がずらっと並んでいる。うちの親族の永代供養(えいたいくよう/お寺が供養してくれる)をこちらにお願いしているのだ。
祖父母に連れられて、よく来た。参道の玩具店で、おもちゃも買ってもらった。食事は、尾張屋の天丼。雷門となりの三定(さんさだ)が有名だが、うちの家族は数軒先の尾張屋と決まっていた。
エビの尻尾がフタに収まらない。味つけは、東京らしく、醤油が効いている。これが、浅草を歩き回った体に、染みるようにうまいのだ。1,600円。女性用にちょっと小ぶりのエビもある。こっちは1,400円。
なお、雷門 三定は日本最古の天ぷら屋、神谷バーは日本最古のバーと言われている。アルコール度数の高い(30度/40度は電気ブランと表記)オリジナルカクテル「デンキブラン」が有名だ。神谷バーには、レストランもあり、かにコロッケが人気。
大ぢょうちんと大わらじ
雷門の大提灯(おおぢょうちん)は、現パナソニックの創業者 松下幸之助の寄進であるのは、よく知られている。提灯の下には「松下電器」とある。
同様に、宝蔵門の「小舟町」(日本橋こぶなちょう)、本堂の「志ん橋」(新橋)の提灯もそれぞれの地域の人たちに奉納されている。
宝蔵門(仁王門)の大わらじも、山形県村山市有志から奉納。「このような大きなわらじを履く者が守っているぞ」という魔除けの意味だそうだ。
三社祭と白鷺の舞
三社祭は、東京で屈指の大きな祭り。仲見世のシャッターに描かれているのが、それだ。神輿が描かれているが、これは浅草寺ではなく、お隣の浅草神社のお祭り。神輿渡御の際は、雷門通りが人で埋めつくされる。
三社祭は、数日に渡って行われる。この祭りの初日に、一風変わった装束の行列をみる。
それぞれに舞う。びんざさら舞、白鷺(しらさぎ)の舞という。
白鷺の舞は、そのうち映像で見せたい。
P.S.
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